樋口一葉（Higuchi Ichiyō）

小説家、歌人

プロフィール

• 名前: 樋口 一葉（ひぐち いちよう）
• 本名: 樋口 奈津（ひぐち なつ）
• 生年月日: 1872年（明治5年）5月2日
• 没年月日: 1896年（明治29年）11月23日（享年24歳）
• 出身地: 東京府（現・東京都千代田区）
• 国籍: 日本
• 職業: 小説家、歌人

経歴・実績

幼少期から作家への道

樋口一葉は、明治時代を代表する女性作家であり、短編小説の名手として高く評価されています。幼い頃から学問に熱心で、15歳で和歌の師・中島歌子の塾「萩の舎」に入門し、文学の素養を深めました。

作家を志した経緯

• 1889年（明治22年）：父が死去し、一家の生計を支えるため職業作家を志す
• 1891年（明治24年）：作家 半井桃水に師事し、小説を学ぶ
• 1892年（明治25年）：雑誌『武蔵野』に処女作「闇桜」を発表

代表作品と文学的評価

樋口一葉の作品は、庶民の生活をリアルに描き、特に女性の視点から見た明治社会を鋭く表現した点で高く評価されています。貧しいながらも気高く生きる人々の姿を描くことで、日本文学に新たな価値をもたらしました。

主な作品

1. 「大つごもり」（1894年）
2. 「にごりえ」（1895年）
3. 「十三夜」（1895年）
4. 「たけくらべ」（1895年-1896年）

作風と影響
彼女の作風は繊細な心理描写と美しい日本語表現が特徴で、後の日本文学に大きな影響を与えました。また、24歳という若さで亡くなったことで「悲劇の天才作家」としても語り継がれています。

晩年と死去

樋口一葉は、執筆活動が評価され始めた矢先の1896年に結核を患い、24歳で亡くなりました。その短い生涯にもかかわらず、日本文学史に残る名作を多く遺し、現在もなお多くの読者に親しまれています。

後世への影響

• 女性作家としての地位確立
  • 明治時代において、女性が職業作家として成功することは非常に困難でしたが、樋口一葉はその道を切り開き、多くの後進の女性作家に影響を与えました。
• 紙幣への採用
  • 2004年、日本銀行が発行する5000円紙幣の肖像に採用され、日本初の近代女性作家として紙幣に描かれました。